東広島マイスター

2021.7.26

つくり手さんスペシャルインタビュー

つくり手さんスペシャルインタビュー 

~私が東広島の食 つくり手とつかい手プロジェクトに参加した理由~

このサイトでご紹介している東広島のブランド「東広島マイスター」は、2018年にスタートした「東広島の食つくり手とつかい手プロジェクト」から生まれました。つくり手(東広島市内の生産者と事業者)とつかい手(東広島の食を応援してくれる人)にとって魅力的なブランドを作ることを目的に、両者を結ぶ商品開発プロジェクトです。

前回は、継続して商品開発に携わってくださるつかい手さん(サポーター)に登録のきっかけや思いをお聞きしました。

今回は、プロジェクトを通して商品開発に取り組むつくり手さん(東広島市内の生産者)に、プロジェクトを通して得られた成果やモノづくりに対する思いをお聞きしていきます。

 

●お話を伺った方(つくり手さん)

東広島市高屋町「やまもと有機菜園」の山本智美さん

2016年から専業として農業に取り組む。農薬や化学肥料を一切使用せず、微生物などの力を借りて植物そのものの力を引き出す有機農法で、約80aの畑で少量多品目の野菜を栽培。2019年4月には、有機JAS認定も取得。

■いつでも野菜の持つおいしさを楽しんでほしいから

――プロジェクトを知ったきっかけは?

東広島市からの案内だったでしょうか。専業農家になって加工品を作り始めたので、東広島市内の身近な人に広く知ってもらって、意見ももらいたくて参加を決めました。ほとんどのイベントにつくり手として出席しています。

――そもそも野菜作りはいつから始められたんですか?

出産をきっかけに趣味で家庭菜園を始めましたが、本格的に始めたのは主人を中心に2016年からですね。2019年には有機JAS認定も受けました。

 

みずみずしく実ったキュウリを一本ずつ丁寧に収穫

有機栽培って、農薬や化学肥料を使わないので安心というイメージが先行しがちなのですが、それ以上に植物そのものの力を引き出して育てるので、味が濃くておいしいんです。スイスチャードなどのちょっと珍しい野菜も作っていますが、栽培する野菜の基準は「自分が好きで、毎日食べたいかどうか」。

刈った草を敷くことで微生物の働きを促しふかふかの畑に。株や畝の間はひろびろ

「切っただけ」「焼いただけ」「蒸しただけ」っていうかんたんなひと手間で、毎日の食事が楽しく豊かになる野菜をコンセプトに作っています。「あれ、私ちょっとお料理上手になったかも!」なんて思ってもらえたら最高ですね。

――加工品も多数手がけていらっしゃいますね。これはいつから?

インタビューをしたコティ―カフェに並ぶやまもと有機菜園のジェノベーゼ

以前からジャムなどは手づくりしていて、専業農家になった翌年には野菜の加工品も作り始めました。当初は家族や知人に食べてもらっていたものを、商品化した形です。

材料は野菜と基本的な調味料だけで、添加物は入っていなくてすごくシンプル。年間100本くらいから作り始めて、今は生産量が10倍くらいになったでしょうか。

やっぱり野菜って生鮮食品だから、収穫した瞬間から鮮度が落ち始めちゃうんですよ。でも、せっかくおいしい野菜を作っているんだから、いつでもしっかりそのおいしさを味わってほしくて。

■消費者の声が確かな自信に

――加工品作りで普段から感じている課題はありますか?

自分たちでは「おいしくできた」と思っても、やっぱり少し不安になることがあるんですよね。バジルの葉を使ったジェノベーゼソースは濃厚でちょっと塩味も濃くしましたが、お客さんはどう思うかな、とか。モニター会で「おいしい」「ちょうどいい」と言っていただくと、自信になります。迷いがなくなるというか。

――「つかい手によるモニター会」にはどのような商品を出しましたか?

ジェノベーゼラスクは、つくり手さんの声が直接生きた商品ですね。開発段階でモニター会に出したのですが、塩の量を変えたソースと全粒粉の割合を変えたパンをそれぞれ2種類ずつ用意して、組み合わせて食べ比べてもらいました。

その結果、ラスクに塗るソースは塩の量を販売しているものより少し減らし、全粒粉の割合も口当たりがよい量に抑えています。トマトやチーズをのせても食べやすいんですよ。

ハーブを煮込んだシロップ「ハーブコーディアル」も、モニター会に出しました。ハーブというと、それだけで子どもや男性に敬遠されがちなんですが、うちの商品はミントベースなのにスースーしてなくて、水割りしたらリンゴジュースみたいなイメージでごくごく飲めちゃうんですよね。試飲して飲みやすさに驚いた方も多かったみたいです。

■栽培に取り組む姿勢や農園の雰囲気を感じて

――モニター会に参加した感想は?

例えばスイスチャードなどのちょっと珍しい野菜って、説明してもなかなか食べ方などをわかってもらいにくいんですよね。それを調理した状態で試食してもらえて、魅力を知ってもらえる機会はありがたいです。

実はつかい手さんからは、商品そのものに対してよりも私や農園に対する意見が多くて。「有機栽培だからじゃなく、やまもと有機菜園の商品だから購入したいと思う」なんていう意見もあったんです。商品の魅力だけでなく、栽培やモノづくりに取り組む姿勢など農園の雰囲気もお伝えできたので、そこを評価してもらえたことがうれしかったですね。質問にもお答えできますし。

モニター会の参加者の方が野菜の宅配を申し込んでくれたり、ほかの加工品を買いに来てくれたりもしたんですよ。SNSのダイレクトメールでも注文を受け付けてきましたが、このたびオンラインショップもオープンしました。

少量多品目の有機栽培野菜。セット販売も

また、一緒に参加したつくり手さんたちとも繋がりができました。それぞれ商品が違うので開発に直接役立つということはないのですが、知らなかった商品をたくさん知ることができて、今後の商品開発に向けて刺激を受けましたね。

――ファンづくりやモチベーションに繋がっているということですね。サポーター登録を迷っている方に、一言お願いします。

生産者としては小さな意見でも本当に参考になるので、ぜひ気負わず気軽に参加してください。SNSの投稿で、「うちではこんな風に使ってるよ」「こうしたらおいしかったよ!」なんていうアイデアもいただけるとうれしいです!

(インタビュー・撮影場所:高屋町造賀地区koti-cafe(コティーカフェ))

■つくり手さんおすすめ商品

ハーブコーディアル(やまもと有機菜園)

買えるところ:道の駅湖畔の里福富コティ―カフェなど

 

ミントをベースにブレンドしたハーブを煮出し、瀬戸内レモンの果汁を加えたシロップです。当初は炭酸割をご提案してたんですが、アンケートの中に「水で割ってもおいしいのでは」という声があって、試してみたら本当に飲みやすくておいしかったんです。

もちろんこれからの季節、炭酸割でノンアルコールカクテルのように飲んだり、お酒と合わせて飲んだりしてもおいしいですよ! こんな時代だから、お家時間を豊かにするきっかけにもなればいいなあと思います。

■サポーター登録をして、イベントやモニターに参加しよう!

2021年度よりサポーター特典制度も始まりました!

サポーターの皆さまにはモニターやツアーなどのイベントの参加権利が付与されます。

みなさまのサポーター登録お待ちしております。

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